HOME» 判例研究(水曜会) »3.【事件】平成17年(行ケ)第10490号-拒絶査定不服審決取消事件-
判例研究(水曜会)
3.【事件】平成17年(行ケ)第10490号-拒絶査定不服審決取消事件-
【関連条文】特許法第29条第2項
1.争いのある発明
特開平8-180237号公報(紙葉類識別装置の光学検出部)
2.引例
実開昭62-51461号公報(紙葉類の積層状態検知装置)
3.拒絶理由
特許法第29条第2項
4.争点
刊行物公知である紙葉類の積層状態検知装置に採用されている構成を、紙葉類識別装置の 光学検出部に適用することが当業者にとって容易か。
5.結論
紙葉類の積層状態検知装置と紙葉類識別装置とは技術分野が異なり、これらを組み合わせる 動機付けがないことから当業者が容易に想到することができないとして、拒絶審決を取り消 した。
6.コメント
(1)明細書に記載された課題・作用効果に基づいて、引例と技術分野が相違することを主張することが認められる。
(2)審査・審判において、引例との構成の相違を明確とするクレームの補正を行えば、審査・審判において特許査定を得られた可能性がある。
(3)紙葉類を判定するための手段をクレームから省くと、クレームから把握できる構成から引例との相違点を明確にすることが難しくなる。